いま、私が売却を依頼されいる物件で大学近くのアパートがあります。
よくお客様からの問い合わせで、
大学が近いから入居間違いないですよね?
空いてもすぐ埋まりますよね?
というような質問をよく頂きます。
もちろん大学周辺は学生の需要もあって良いのですが、大学の近くだからといって安易に安心できないので、大学の周辺の投資用物件の注意点と、もし大学周辺の物件を買いたい、もしくは既に所有している方はどうすれば入居者が決まりやすくなるか、対策について説明していきたいと思います。
注意点
- 長期空室の危険がある。
- 競合が多い
意外かもしれませんが、大学の近くの物件には他のエリアの物件に比べ、長期空室のリスクがあることを知っておいて下さい。
それでは具体的にどんなリスクがあるか説明していきます。
- 長期空室の危険がある
まず、勘違いされやすいのが大学の近くだからすぐに埋まるだろうと勘違いされている人が多い点です。
もちろん、新入学生などが部屋を探す時期(12月~3月まで)に物件が空いていれば、比較的すぐに埋まる可能性が高いです。
しかし、3月下旬から4月に退去の場合は、4月から入居の新入生に間に合わず、長期空室のリスクがあります。 - 競合が多い
大学周辺は必ず一定数の需要はあるものの、当然周辺にも学生向けの物件が密集しており競合物件が多数あります。築年数や家賃等の条件によっては、競合物件に負けてしまい、繁忙期に入居させることができずに長期空室の可能性があります。
大学の近くの物件だから大丈夫だろうという、安易な考えは危険だということが理解できるでしょうか?
それでは注意点を踏まえてどのように対策すれば良いか説明していきます。
対策
- 入居者(学生)がいつ卒業するのか把握しておく
- 卒業前の12月には手紙を送りいつ退去するか予め把握しておく
- 競合物件との差別化を行う
- 積極的に設備投資を行う
- 大学と関わりのある管理会社に依頼をする
- 学生だけでなく、社会人も積極的に取り込む
このうような点を注意すれば比較的安全に運用することができるかと思います。
具体的に説明していきます。
- 入居者(学生)がいつ卒業するのか把握しておく
まず、前提としてどの部屋が今何年生でいつ卒業するのかを把握しておくことが重要です。 - 卒業前の12月には手紙(アンケート)を送り、いつ退去するか予め把握しておく
前項の続きになりますが、卒業する年の学生がいれば、事前に12月頃にアンケートを出して退去する可能性があるか?退去するつもりであればいつ退去するのかを事前に把握しておくことが重要です。
また、仮に3月末や4月に退去をするつもりであれば、早めに退去することができないかも相談しておくことが重要になります。 - 競合物件との差別化を行う
大学周辺には賃貸物件が密集しているので、他に埋もれてしまわないよう、ステージングやフリーレント、広告料を増額するなどして差別化を図って下さい。 - 積極的に設備投資を行う
前項の続きになりますが、今の学生は昔に比べ、綺麗なところに住みたがります。したがって今の学生に気に入ってもらうような取り組みをしなければなりません。具体的にはウォシュレット設置、インターネット無料を導入するなどして学生に気に入られるような対策が必要です。
また、学生だけでなく、その両親にも気に入られるような対策も効果的です。なぜなら、大学生が部屋探しをする時には費用は両親が負担するので、主導権のある両親に気に入られるような、例えばTVモニターホンの設置など防犯面を向上させる設備投資は両親の受けが良く効果的です。 - 大学と関わりのある管理会社に依頼をする
大学と繋がりのある不動産会社はお客さんに紹介する際には、まず自社の管理物件を埋めることを考え、優先的に紹介することが多いので、大学と繋がりのある不動産会社に管理を任せれば積極的に学生に紹介してもらえます。 - 学生だけでなく、社会人も積極的に取り込む
上記対策をしてもどうしても閑散期に部屋が空いてしまうことがあります。その時のためにも学生だけでなく、それ以外の客層も入居させるように考えて取り組んでいくことが必要です。
結論
大学の近くの物件はある一定の需要は必ずある地域になります。また、大学が潰れない限りはその需要は続く可能性が高いです。
私も大学近くの物件だからだめだという気は一切ありません。
大学近くにも良い物件は沢山あります。
しかし、私も管理会社で大学周辺の物件を管理していたときに長期空室になる物件を数多く見てきました。
大学の近くだから大丈夫だと慢心せず、大学周辺の物件特有の危険性や注意点を把握した上で購入するか決められたほうが良いかと思います。